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デジタル音声広告の基本ガイド

原文(英語)

ようこそ!このガイドでは、Spotify のストリーミングインテリジェンスを使って効果的な音声広告を展開するための基本を説明していきます。ここで紹介するヒントや方策は、Spotify の音声広告に初めて取り組む方にも、現行の音声広告の効果をもっと高めたいと考えている方にも、きっとお役に立つはずです。

今はまさに絶好のタイミングです。現在、音声配信は第 2 黄金期に入ろうとしています。アメリカでストリーミング音声を聴いている人の割合は、2012 年以降で約 2 倍に増えています。1 また、マルチプラットフォームで Spotify Free を利用している世界 1 億 2,400 万人のユーザーの聴取時間は、1 日 2.5 時間に及んでいます。2

ユーザー数や利用時間が増えているだけではありません。音声広告の可能性はますます広がっており、今では、対象オーディエンスの状況や気持ちに合わせて広告をパーソナライズすることも可能です。また、Z 世代の 56% は、膨大な視覚情報に囲まれている毎日のなかで、画面を見ない時間が癒やしになると考えており、こうしたリスナーにリーチするには音声広告が最適です。3

ここからは、Spotify で音声広告を活用するための基本的なベストプラクティスや、ポッドキャストの可能性を探ったうえで、ワンランク上のクリエイティブを実現する方法を見ていきます。紹介するアイデアを参考に、新たな試みにぜひチャレンジしてください。もちろん、アドバイス料はとりませんのでご安心を。

はじめの一歩

Spotify の音声広告では、特定のタイミング、ジャンル、オーディエンスを選んでメッセージを配信できます。この 3 つは、音声の力を増幅し、リスナーの心をつかむうえで重要な要素です。Spotify が誕生する前の 1998 年に Luke Sullivan 氏が著したコピーライティングの解説書『Hey, Whipple, Squeeze This』に、次のような一節があります。ラジオについての言葉ですが、ストリーミング音声にも相通ずる話だと思います。「ラジオのキャンバスは大きく、四方八方に広がっている。テレビ CM では費用がかかりすぎて不可能なことも、ラジオなら可能だ」。その知的資本を、音声ならではのアイデアに投じてみてはいかがでしょうか。

Spotify 広告で不可能を可能にするための重要なヒントをいくつかご紹介します。

Spotify の無料ユーザーは、広告の後で音楽がまた始まることを知っています。Nielsen の調査によると、音声聴取の 79% は、視覚的メディアを見られない状況での活動中に行われています。チャンネルを変えられる心配はないため、利用者と 1 対 1 で密接につながっているこの時間を大切にして、ストーリーを伝えましょう。リスナーは耳を傾けています。リスナーが気にするのは、クリエイティブの長さよりも、メッセージの内容そのものであることがわかっています。4

Spotify のリスナーは、広告体験への満足度を測る基準として、クリエイティブの質が高いかどうかと、自分の興味に関連しているかどうかの 2 点を特に重視しています。後者については、Spotify のストリーミングインテリジェンスが威力を発揮します。広告主様は、Spotify が作成した各種のターゲティングセグメントを利用して、適切なリスナーに的確なタイミングでリーチできます。その効果は数字にも表れています。基本的なデモグラフィックをターゲティングに利用したキャンペーンに比べ、認知度は 2.7 倍、インテントの高さは 5.3 倍にのぼります。5 あとは、質の高いクリエイティブを広告主様にご用意いただくだけです。

音声広告のなかに、限定情報、セール情報、プロモーションコードなどを取り入れましょう。たとえば、期間限定と銘打ったメッセージは、リスナーの焦燥感を掻き立てるため、売上や来客数の増加につながります。消費財 (CPG) 企業の場合は、移動している最中のリスナーに呼びかけると、広告費用対効果 (ROAS) が 2 倍になる可能性があります。6

自社のサウンドロゴやジングルとして広く認知されている音源があれば、ぜひ利用しましょう。なじみのあるサウンドを加えることで、リスナーの耳にインパクトを与え、うまく注意を引くことができます。

オフラインでの行動を促すには、CTA (Call to Action) が不可欠です。直接的な CTA を含むクリエイティブは、そうでない物に比べて 4.4 倍の集客につながるというデータがあります。7

リスナーに覚えてもらいたい最重要ポイントに的を絞り、会話調の声でメッセージを伝えましょう。絶叫は必要ありません。話しかける相手はたいてい 1 人です。

Spotify のリスナーは、多くの場合、何か別のことをしながら聴いています。もしリスナーがヨガをしていたら、ヨガのポーズのままスマホに触れることはできません。クリックやタップを必要としない種類の CTA を考えましょう

次の一歩: 音声広告をレベルアップ

良いものができても、それで終わりではありません。さらなる高みを目指すのが、創造性というものです。改善の余地は常にあります。そこで大切なのが、次の一歩です。

まず考えるべきは「創造的破壊」です。ただの破壊ではありません。音声を活かして、リスナーの体験に創造的破壊 (刷新や改善) をもたらすことを考えましょう。リスナーの邪魔をするだけの存在にならないことが重要です。

ここからは、前向きに発想を転換するためのアイデアをいくつかご紹介します。音声で成果を上げるための着想がきっと得られるはずです。

画面を凝視しているときは、本当の意味でのモバイルではありません。外出中でも気兼ねなく安全に利用できるのは、音声ならではの特性です。

ブランドに語らせるようにします。実用性や面白さを狙うために、あえて大声で語らない方法もあります。無理に聞かせるのではなく、耳を傾けてもらいます。時には、沈黙の方が言葉より雄弁な場合もあります。

音楽はカルチャーを映す鏡です。現実社会の世相やムーブメントは Spotify にも表れます。ターゲットと関係が深いカルチャーの変化をタイミングよく捉え、つながりを強固にしましょう。

アメリカのオーディション番組「American Idol」は、新シーズンの開幕にあたって、出場者と同じ州の音楽ファンに向けてメッセージを打ち出すことで、地元の盛り上がりを生みました。

画面上の CTA は、状況によっては反応が難しい場合があります。Spotify では、リンク先やプレイリスト、ポッドキャストを、リスナーが音声コマンドのみで開けるようになる予定です。

実際に、音声操作に対応した初めての広告のテストも行いました。

オーディエンスの耳だけでなく心に響く広告にするうえで、3D 音声の効果は絶大です。イヤホンでもカー音声でも、ブランドの世界にリスナーを引き込みましょう。

ビールメーカー AB InBev がメキシコで展開した飲酒運転撲滅キャンペーンは、ステレオの左右で違う音を流し、左耳には飲酒運転で帰宅した場合、右耳にはタクシーを呼んだ場合の結果が同時進行で聞こえる仕掛けになっています。

昔の有名人を適当に選んでブランドの顔に据えてもよいのですが、オーディエンスにとっておなじみの声があれば、その声の主を選ぶ方が効果的です。たとえば、ポッドキャストの司会者や、オーディエンスが親近感を覚えているアーティストなどです。

ポッドキャストは長時間のものと決まっているわけではありません。定型を裏切り、短いエピソードの続きものにする方法もあります。

たとえば、子供向けの歯みがき番組「Chompers」は、1 日 2 回、2 分間を配信する形式で、ポッドキャストのほかにスマートスピーカーのスキルからも聴くことができます。子供たちが嫌いなことを習慣付ける画期的な番組です。歯ブラシブランドの Oral-B と歯磨き粉ブランドの Crest がスポンサーとなっています。

音声を、キャンペーンやオリジナルアイデアを拡張するものとして活用することもできます。Spotify の調査結果によると、音声を含むマルチフォーマットのキャンペーンは売上への貢献度を 27% 向上させます。8 一方で、音声単独でも、ブランドへの効果は非常に大きく、メッセージと広告主を結び付けるメッセージアソシエーションは平均 36% 増、ブランド認知度は 23% 増となっています。9 心に引っかかっていることであれば、自然に注意して聞くものです。

チョコレートバーのスニッカーズは、有名なキャンペーン「You’re Not You When You’re Hungry」(お腹がすいているときは普段の自分じゃない) を音声広告向けに大胆にアレンジし、空腹のときにはお気に入りの音楽のジャンルも変わってしまうという内容にしました。

自分が何を求めているかわかっていない人には、短い時間で注意をひきつける戦略が有効です。しかし、相手の関心対象がわかっているときには、もう少し時間をかけることができます。

世界中の消費者が、画面の見すぎで眼精疲労を起こしています。リスナーを視覚的刺激の洪水から解放するために、車の運転中など、画面を見なくていい状況のときには、想像力に訴える音声を提供しましょう。
たとえば、排気音にうんざりしているリスナーに、究極のドライブではどんな音が聞こえるかを想像してもらうことができます。

参考文献と参考音源(英語)

Spotify は消費者行動プラットフォームでもあることをご説明する短編ポッドキャストのシリーズです。
このポッドキャストを聴く

音声広告のクリエイティブの可能性について、音声広告のフォーマットで示した実例です。

1 2019 年、Edison Research and Triton Digital、「The Infinite Dial Study」
2 2018 年、Spotify ファーストパーティデータ、グローバル、1 日あたりのコンテンツ利用時間 / デイリーアクティブユーザー数に基づく、無料ユーザー、マルチプラットフォーム<br. 3 2019 年 2 月、「Spotify Culture Next」トレンド調査、世界 (米国、メキシコ、ブラジル、フランス、ドイツ、英国、フィリピン、オーストラリア) の 15~37 歳の回答者 4,000 人を対象に調査<br. 4 2018 年、Spotify ユーザー調査
5 2018 年、Spotify Nielsen Brand Effect 調査
6 2018 年、Spotify Nielsen Catalina Solutions 分析
7 2018 年、Spotify 委託調査
8 2018 年、Spotify Nielsen Catalina Solutions
9 2018 年、Spotify Nielsen Brand Effect 調査

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