圧倒的な「先行者利益」と「コスパ」が期待できる
<div style="font-size: 1.5rem; color: rgb(117, 117, 117); margin-bottom: 20px;">Spotify 制作:東洋経済ブランドスタジオ AD 2020/09/29</div>
「音声ならでは」の広告効果を科学的に実証
近年、にわかに普及が進む「デジタル音声広告」※1。動画やテキストの広告に比べ、音声広告は情緒や潜在意識に働きかけやすく、とくに企業ブランディングとの親和性が高いといわれる。またデジタルということで、細かなターゲティングや数値を基にした効果測定ができるところも強みだ。そして最近は、その高い広告効果を科学的・定量的に実証する取り組みも進んでいる。
音声はストレートにメッセージを伝えられる
デジタル音声広告の効果を科学的な見地で調査したのが、音楽ストリーミングサービス・Spotifyの依頼で今年6月に行われた、ニールセンによるニューロサイエンス調査レポートだ。この調査では、「注目」「感情関与」「記憶」に関する主要3指標について、被験者に「動画広告のみ」「音声広告の後に動画広告」の2パターンで広告を提示し、脳波の動きを測定した。※2
その結果、「音声広告の後に動画広告」を見せたほうが「動画広告のみ」を見せるより総合的な広告効果が有意に高まり、音声広告と動画広告のシナジー効果が確認された。
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スポティファイジャパン
ビジネスマーケティングマネージャー
石井 恵子 氏
2002年マイクロソフト株式会社入社。
オンラインサービス事業部プロダクトマネージャーとしてWindows Liveやサブスクリプ
ションサービスに従事。セールスフォースドットコム、Facebookにてビジネスマーケティ
ングマネージャーを歴任。2015年Skyscanner Japan入社。設立年よりマーケティングヘッ
ドとして日本市場の拡大に貢献。2018年10月より現職
一方、ブランドそのものの伝達を見る調査では、「動画広告のみ」「音声広告のみ」「音声広告の後に動画広告」の3パターンで実施。その効果に関しては意外にも、「音声広告の後に動画広告」を見せるよりも、「音声広告のみ」を聞かせたほうが有意に高かった。こうした調査結果についてSpotify ビジネスマーケティングマネージャーの石井恵子氏はこう話す。
「音声に比べると、動画には映像・音・テキストといった多くの要素が詰まっていて、エンターテインメント性は高い反面、人の脳の処理が追いつかず、伝えたいメッセージが有効に伝わらないことも少なくありません。対して音声は要素が音だけに絞られるため、伝えたいメッセージの伝達を拒む因子が少なく、ストレートにメッセージを伝えられます。今回の調査結果には、そうした特性が表れていると分析します。
これまでもユーザーへの事後の聞き取り調査で、音声広告の効果を確認してきましたが、今回こうして脳波の測定という形で科学的に、客観的に広告効果を実証できたのは、とても有意義だと考えています」(石井氏)
ほかにもSpotifyでは、宣伝会議と共同でこんなプロジェクトも展開している。デジタル音声広告の可能性をクリエイティブの側面から考察する「デジタル音声広告クリエイティブラボ」だ。同ラボでは2019年5月より、実際に企業がSpotifyに音声広告を出稿し、どのようなクリエイティブでどんな効果が起こるかを検証している。
広告接触者の8割超が行動を起こした
そのうちの1社、モンデリーズ・ジャパンは、同社のガム「クロレッツ」を若年層へリーチすることを目的に、同ラボへ参加。具体的なガムの喫食シーンの提示を通じて「ガムを噛むことはカッコイイ」というイメージを伝える「サッカー篇」「ステージ篇」、さらにはコミカルでノリのいい「英語講座篇」を2パターン、合計4パターンの音声広告を制作した。
実際の音声を再生できます「英語講座(走る)篇
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その事後調査では、「インターネットで検索した」(37.5%)、「ホームページにアクセスした」(36%)、「実際に購入した」(27.5%)など、広告接触者のうち8割超が何らかの行動を起こすという非常にポジティブな効果が計測された。またクロレッツに対するイメージも、「おいしい」が非広告接触者を約30ポイント上回った。
一方、出光昭和シェルは、同社が手がけるアグリバイオ事業の認知拡大をミッションに、同ラボに参加。アグリバイオや家畜用飼料添加物という一般消費者にはなじみの薄いテーマをキャッチーなストーリー仕立てで伝える「桃太郎編」「家畜編」、およびスタイリッシュで上質な雰囲気の「料理上手編」という3パターンを制作した。
実際の音声を再生できます「桃太郎編」
00:00 / 00:00
その結果、広告接触者は出光昭和シェルへの好感(62.5%)、興味(66.5%)、利用意向(52%)の各指標で、非接触者を40ポイント程度上回った。また広告接触者における「身体によい食品を選ぼうと思った」のスコアが、非接触者を30%上回り9割に達し、伝えたいメッセージである「食の安心・安全への意識の変化」にひも付く効果が得られた。
こうした高い広告効果には、「情緒や潜在意識に訴えかけやすい」という音声ならではの特性に加え、広告が曲と曲の間に流れるためスキップされずにフルで聴かれることも作用しているだろう。また、Spotifyに関しては、「ユーザーの属性」も大きな強みになっている。
「クライアントから非常によく聞かれるのが『若年層に強いプラットフォームに出稿したい』というご要望です。以前であればテレビなどを通して若者層にリーチできたものの、最近はだいぶほかの媒体へ流れてしまっていて、リーチしづらくなっている、と。その点、日本のSpotifyのユーザーは35歳未満が56.2%を占め※3、そうしたニーズにしっかりお応えできます」(石井氏)
行動的で影響力の強いユーザーが多い
![[ja-JP] News & Insights // toyo keizai image 5](//images.ctfassets.net/tvhwpwv117no/3JoR6VL7z1eFPvwhmrxXnf/f7945c113900ae0074d58fdce60bcc1b/Copy_of_Toyo_Keizai_3-6.jpg)
加えてSpotifyでは、10代以上を対象とした年齢ターゲティングをはじめ、性別やエリア、曜日・時間帯など、広告を提示する対象や条件を細かく絞り込むことが可能だ。ユーザーの聴く楽曲やプレイリストを元に、「スポーツ好き」「健康志向」「料理好き」「ゲーマー」といった属性でターゲティングすることもできる。
そして、さらなる強みといえるのが、高い情報感度と拡散力を備えるユーザーが多い点だ。
「弊社は日本で音楽ストリーミングサービスがまだ広く知られていない時期からサービスを開始していることもあって、新しい物事に興味・関心が高い“インフルエンサー”タイプのユーザーが多いことが調査で明らかになっています。そういったタイプの方々は往々にして行動派でもあるため、Spotifyのユーザーは非ユーザーに比べ買い物やレジャー、旅行などに積極的に参加し、消費意欲が旺盛なこともわかっています」(石井氏)
そうしたユーザーは広告に接触した後にアクションを起こしやすく、また情報を伝達する影響力も強い。まさに多くの広告クライアントが積極的に狙いたい層ともいえ、Spotifyが出稿先として選ばれる大きな一因となっている。
さらにいえば、音声広告は動画CMなどに比べて制作費をかなり抑えられ、したがって複数のクリエイティブを運用してみて、より広告効果の高いものに絞り込むといった運用方法も採りやすい。
そんな“ならでは”な特性と強みを持ちながら、日本ではまだ黎明期といえる段階のデジタル音声広告マーケット。いま参加すれば、高い費用対効果やノウハウの蓄積といった“先行者利益”を、まだ十分に享受できるだろう。
東洋経済から転載
※1 音楽ストリーミングサービスやポッドキャスト、オーディオブックといったインターネット音声メディアを主な媒体とする、音声広告※2 脳波主要3指標調査では、データベースが異なる動画と音声の調査結果を単体で比べることができないため、調査パターンは、「動画広告のみ」と「音声広告の後に動画広告」の2パターンのみで実施
※3 Spotify社調べ。2020年2月現在