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ブランドメッセージを届ける:ヨーロッパの通信会社が注目するデジタル音声広告の効果

通信会社のマーケターが今向き合うべき重要な傾向、課題、チャンスについて理解を深めるため、Spotifyは最近、効果的なマーケティングの世界的権威である[WARC](https://www.warc.com/Welcome)と提携を結びました。そして、EMEAの通信業界の内情と、その業界における、広告媒体としてのデジタル音声の役割に焦点を当てた報告書を作成しました。 この調査報告書には、通信会社の364人のマーケターを対象にした調査から得られた量的インサイトと、通信会社のマーケターおよびそのセクターと緊密に関わるマーケター10人を対象にしたインタビューから得られた質的インサイトの両方が含まれています。この2部構成シリーズの第1部では、通信会社のマーケターにとって最も重要なポイントを紹介いたします。

#1:通信業界の展望

通信業界は現在、パラダイムシフトの渦中にあります。テクノロジー会社への転身を図る通信会社がますます増えているのです。この転身は、環境の変化に適応し、成長を可能にすること、また急速な変化に機敏に対応することを狙いとしています。こうしたシフトは、以下の主要傾向に大きく起因していると考えられます。

  • 経済的課題: 厳しい経済環境とコストの上昇

  • 業界の変革: 5G革命により、デジタル社会における通信会社の役割を見直すユニークな機会が生まれる

  • パーソナライゼーション: 最も効果的なチャンネルミックスによって実現する、適切なオーディエンスに適切なタイミングで行う適切な製品の提示

  • 製品の多様化: モバイル、ブロードバンド、テレビ、コンテンツなど、製品ライン全体で多様化が進む

WARCの報告書によると、テクノロジー企業としてブランドの独自性を築くには、以下の3つの分野が重要です。
  1. カスタマーエクスペリエンスを向上させる有意義な方法を見つける
  2. 新しい製品とサービスを開発し、推進する
  3. 将来的な顧客に積極的にアプローチする

通信会社が上記の3つの重要な分野を実現するには、コミュニケーション戦略を効果的に展開することに加え、主な差別化要因を見つけ、ブランドの独自性を高める必要があります。

「通信会社からテクノロジー会社への移行は、当社の戦略の一環です。これが、成長への道だと確信しているからです。従来の通信会社のままでは、これから成長していくのは難しいでしょう。新しい役割を担う必要があるのです。当社では、自社のサービスを充実させること、また顧客が購入するテクノロジーにおいて中心的な役割を果たすことによって、新しい道を切り開いています」

—Marta Barri、マーケティング責任者、Mobile Offer | Vodafone Italia

#2:多くの人が認識している変化

調査では、回答者の91%が、広告に対する業界のアプローチはある程度進化していると考えていることがわかりました。その要因としては、新しいメディアチャンネルの台頭、主要な利用者層の行動の変化、ファーストパーティーデータを活用したターゲットメッセージの高い利用率といったことが考えられます。

こうしたチャンネル戦略の変革の背後にある主な要因には、通信会社がカスタマーエクスペリエンスを強化し、新しい製品やサービスの導入を促進していること、さらには購買サイクルにおいて製品に関心を持ち始めた段階にいる顧客に、効果的にアピールしようと取り組んでいることが挙げられます。

#3:明るい見通し

厳しい経済環境であっても、60%の回答者が以下の主な分野に注目し、次年度の予算は増加する見込みだと考えています。

  • 顧客の獲得
  • 新しい製品とサービス
  • 顧客の維持
  • ブランドの構築
  • プロモーション

回答者は、こうした優先事項を達成すべく、ソーシャルメディア (+71%) とオンラインのビデオ/ディスプレイ (+58%) に次いで、デジタル音声 (+50%) とポッドキャスト (+53%) への投資が増額されると予測しています。

「計画的なリーチの実現が、最も大きな関心事だと思います。テレビなどのメディアではリーチが伸びにくくなっていますし、サイロ化したエコシステムはデジタルの分野において大きな課題となっています。これからデジタル音声への注目はさらに高まるでしょう。これは、サイロ化したシステム全体で測定ツールが必要になるということ。そして、それが実現できなければ状況は困難になると思います」

—Norman Wagner、グループメディア責任者、Deutsche Telekom

#4:デジタル音声の活用

デジタル音声配信の拡大は、オンデマンドの音楽やポッドキャストへの関心の高まりによるものです。実際、調査によると、デジタル音声の利用時間はソーシャルメディアの利用時間よりも高い割合を占めるようになっています。

また、英国、イタリア、フランスでは、音楽をストリーミングする人の方が、ラジオ放送を聴く人よりも多くなっています。この傾向はドイツではまだ見られませんが、2024年には同様の傾向になると予測されています。

英国だけを見ると、音楽ストリーミングとポッドキャストの消費は、総メディア消費量の17.6%を占めています (16~24歳の層では24%)。テレビ放送は22.4%、ソーシャルメディアは16.7%です。

こうした傾向から、デジタル音声には広告チャンネルとしての大きな投資機会があることがわかるものの、通信業界で、デジタル音声のメリットに気付いている企業はまだわずかです。

Spotifyの調査では、デジタル音声は総メディア消費量の17%以上を占めているものの、2021年に各マーケットの通信会社が行ったデジタル音声への支出は、総支出の0.6%以下に留まりました。

もう一度、英国に注目してみましょう。通信会社がメディアチャンネルとしての音声に費やした総投資額を見てみると、デジタルが占める割合は18%と最も高くなっています。とはいえ、英国のほかの業界はより速く動いています。たとえば、テクノロジー会社と電子機器メーカーは、音声に関する予算の34%をデジタルプラットフォームに費やしています。

#5:通信会社が認める、Spotifyで宣伝するメリット

Spotifyを利用したマーケティングのメリットは多数あります。そして、インタビューを受けた通信会社もその点に同意しています。調査では、最大のメリットとして「関連性の高いターゲットオーディエンスへのリーチ」が評価されていることが新たにわかりました。ほかにも、「メディア戦略でより高いインクリメンタルリーチを見込める」ことや、「ブランドの安全を確保できる、信頼性の高い環境」で「アテンションとエンゲージメントの高いオーディエンスとつながれる」という点がメリットとして挙げられました。

最近SpotifyがQualtricsと提携して実施した第2弾の調査では、Spotifyへのエンゲージメントが高いユーザーは、通信プロバイダーまたは通信プランの切り替えやアップグレードを検討する可能性が高いことが示唆されており、こうした結果は、この考察を裏付けるものです。

デジタル音声に投資しているヨーロッパの通信会社のうち、65%が音楽ストリーミングはほかのメディアよりも効果が高いと考え、63%がポッドキャストの方が効果的であると考えています。Spotifyでは、どちらのフォーマットにも投資できます。さらに、クリック可能なビデオを使って音声のアセットを補完したり、バナーを表示してリスナーを目標とする場所へ誘導したりすることも可能です。大まかに言うと、Spotifyのようなデジタル音声プラットフォームを活用すれば、ほかのメディアチャンネルとの相乗効果を生み出し、キャンペーンの効果を高めることができるということです。

興味がわいたなら、もっと詳しくチェックしてみましょう

この調査から、EMEAの通信業界全体における傾向、課題、チャンスについてのインサイトとともに、デジタル音声へのマーケティング投資を検討する際にそれらの情報をどのように関連付けられるかについて興味深いインサイトが得られました。

デジタル音声の消費が多くのマーケットで増加していることと、このチャンネルを利用した広告の効果性が高いことが明らかになった今、通信会社には、音声についてさらに理解を深め、ブランドの差別化を図り、オーディエンスとの深いエンゲージメントを築くすばらしい機会が開かれています。

調査の結果を詳しく 見ると、デジタル音声への投資を拡大するのに役立つ情報を得られます。このシリーズの第2部では、Spotifyの広告ソリューションを活用することで、通信会社がどのようにこのレポートで特定された課題に対処し、ブランドの目標を達成することができるかというポイントに焦点を当てています。

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