カンヌライオンズ 2023: オーディエンスとつながるための新たな手段
先月、南仏カンヌで開催された、世界最大の広告の祭典「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」。世界中のマーケター、広告代理店、クリエイター、インフルエンサー、テックプラットフォームが一堂に会する本イベントでは、この1年の各業界における最も優れたキャンペーンの数々が紹介されました。Spotifyは今年も参加し、特設ブース「Spotify Beach」では、広告に関する充実したセッションや、豪華なラインナップのタレントをステージに迎えたスペシャルなコンサートを開催しました。 今年は、Spotifyで広告を出す際にマーケターがどのようにインサイトをアクションにつなげることができるかに焦点を当て、3つのブログ記事で本イベントのハイライトを振り返ります。
現在、Spotifyのリスナーは184のマーケットで5億人以上おり、その半数以上が広告付きプランを利用しています。その中で、ブランドにとって特に重要な人々にどのようにリーチし、関係を築くことができるのでしょうか?
コアバリューに忠実に、オーディエンスとともに進化する
2日目の火曜日は、スポティファイ創業者兼CEOのダニエル・エク をホストに迎え、Spotifyオリジナルのポッドキャストがまもなく配信開始のトレバー・ノア氏と共に、ストーリーテリン グの未来と、世界中のオーディエンスとより深いつながりを築くために様々なメディアを使いこなす技術について話し合う「The Cutting Edge of Creativity」で幕を開けました。その中でトレバー氏は、ブランドがポッドキャストやソーシャルメディアを使って、より有意義な形でオーディエンスと交流し、進化し続けるメディア環境の中で新しいテクノロジーを効果的に活用するためのヒントを共有しました。
「ソーシャルメディアは人と人をつなぐという点では素晴らしいですが、そのつながりのためのコンテキストを提供する、という点では(ソーシャルメディアは)劣っています」とトレバーは指摘しました。「コンテキストがなければ、すべてのインタラクションが誤解される可能性があります。TikTokであれ、Twitterであれ、Snapchatであれ、そのどれもが独自の言語を持っています。ソーシャルメディアが得意なブランドのインタラクションは、それを直感的に理解している人々との信頼関係の上に成り立っているのです。」
「"ブランド "を押し付けないからこそ、素晴らしい成果を上げているブランドもあります。例えば、イギリスの自動車ブランドのロータスはTikTokにコンテンツを投稿していますが、それらのほとんどが車に関するものではなく、一般のユーザーと同様に、ただ楽しんでいるだけなのです。ブランドは、時にそのような活用の仕方は間違っている、そのような投稿を人々に共有する必要はないと判断することがあります。しかし、それは何の問題もありません。自分たちが楽しむことで、人々にもあなたのコンテンツを楽しんでもらえばいい。ブランドが前のめりに不誠実な意見を述べたとき、すべてが崩れ去るのだと思います。」
調査によると、SpotifyはZ世代の間で最も信頼されているブランドのトップ5に入っています。トレバーのアドバイスは、Spotify上で若年層にリーチしたい広告主の皆さまの参考になるでしょう。
Z世代関連では、Spotifyのポッドキャスト "anything goes with emma chamberlain "のホストであるエマ・チェンバレン氏と、ロエベのCMOであるチャーリー・スミス氏が、Spotifyのマーケティング責任者であるタジ・アラヴィとともに、「Building a Brand is More Than Meets The Eye」のセッションに登壇しました。3人は、ブランド構築、ブランドポジショニング、そしてクリエイターとブランドの双方がオーディエンスとより深くつながる方法について語りました。
エマのファンは、彼女が単なる音声コンテンツクリエイターではないことを知っているでしょう。2020年、彼女は自身のコーヒー会社、チェンバレン・コーヒーを設立し、その経験から多くのことを学んだとステージで話しました。
「それは、まさに"旅 "でした。日々勉強です。私たちを取り巻く世界は常に変化していますからね。完璧な計画を立てて、それを貫こうとしたら、決してうまくいかない。私のブランドは、自身ともに成長し、成熟していくものだと思っています。私の好みも進化していくだろうし、それに伴ってブランドも進化していきます。それが、ブランドの面白さだと思います。コアバリューに忠実でありながら、オーディエンスに反応する形で進化することができるのです。」
オーディオを使ってブランド名を定着させる
ロエベがどのようにオーディオを活用してオーディエンスとつながっているかを尋ねられたチャーリーは、ブランドの認知度を向上させるためのフォーマットの重要性についてこう答えました。
「"Loewe "の発音は非常に難しいです。そのため、私たちにとって口頭での伝達はブランドを成長させる最も強力な手段の一つであり、ブランド名の誤認識は私たちのブランドの成長の妨げになります。ですから、私たちはブランド名を人々の頭に定着させるため、できるだけ多くのオーディオの使用機会を探しています。」
クリエイティブをコンテキストにマッチさせる
昨年同様、Spotify Beachにはいくつかのミーティングスペースが設けられ、コーヒーバー「Sonic Sips」で、参加者はアイスラテや冷たいビールを飲みながら、今年発表されたSonic Scienceのリサーチ結果についてについて学ぶことができるようになっていました。
Spotifyのインサイト&アクティベーション アソシエイト・ディレクターのマリオン・ボエリは、参加者に本調査についてのより深いインサイトを提供しました。
マリオンは参加者に次のように語りました。「Sonic Scienceの調査によって、リスナーがストリーミングしている音楽は、彼らの日常生活をリアルに反映していることがわかりました。広告パートナーはこの貴重な情報を広告の出稿に活用することができます。」
「適切なタイミングで、適切な場所で、適切なメッセージを使う。広告がコンテキストに即したものであることが、肯定的に受け止められる広告体験を生み出す最善の方法なのです。Spotify広告で最も避けるべきことは、リスナーの雰囲気を壊すことです。私たちは、ブランドが1日を通してリスナーに聴取される時間を増やす、そんな広告体験を生み出すお手伝いをしたいと考えています。」
また、Sonic Scienceでは、いつ、何を聴いたか、その時何をしていたかにかかわらず、Spotifyでオーディオを聴いた後、リスナーは気分が良くなっているということが明らかになりました。さらに、Spotifyリスナーの音楽やポッドキャストへのエンゲージメントの高さは、その後に続く音声広告を聴いている間も、一貫して高いレベルを保っていることもわかりました。
では、なぜこれらの調査結果があなたのブランドにとって重要なのでしょうか?それは、Spotifyが1日を通してあらゆる場面ででリスナーとエンゲージしているため、ブランドは伝えたいメッセージに合わせて最適な時間と場所でリスナーにリーチできることを示しているからです。また、Spotify上のユニークなファンとのエンゲージメントとパーソナライゼーションが、他のプラットフォームでは不可能な独自の方法で、ブランドがオーディエンスとエンゲージする機会を創出していることも示しています。
これらのインサイトを活用し、オーディエンスとより効果的につながるには?
オーディオが果たす独自の役割を理解することで、広告主は、適切なメッセージを適切なトーンで伝え、Spotifyのリスナーを惹きつけるための適切な手段をその時々で講じることができます。
クリエイティブを完璧に仕上げるためのヒントやコツはたくさんあります。詳しくは次の記事でご紹介しますが、その前に、自社のブランドの広告をどのようなコンテキストで聞いてもらいたいかを考えてみてください。あなたの広告がオーディエンスに届くとき、オーディエンスはどのような活動をしているでしょうか?その時、彼らはどのような気分なのでしょうか?オーディエンスの気分や活動に寄り添い、ブランドのメッセージが彼らの雰囲気にマッチするようにしましょう。
冒頭のトレバーの言葉を念頭に置きながら、Spotifyであれ何であれ、プラットフォームがあなたのターゲットオーディエンスにどのように使われているのか、それに合わせてメッセージをどのように形作るべきなのかを考えてみてください。
カンヌライオンズ2023シリーズ、次回の記事もお楽しみに!