著作権管理 NexTone が担う、新しい音楽業界の役割とは? : 進化するアーティストプロモーション
スティーブ・ジョブズが初代iPod(アイポッド)を、2001年に発表して以来、音楽業界のデジタル化はドラスティックに進んだ。その後、同業界のプレイヤーの役割も大きく変化している。それは、コンテンツのライツマネージメントを請け負う、著作権管理事業者も例外ではない。
株式会社NexTone(ネクストーン)は、音楽の著作権管理事業のみならず、全世界のさまざまな音楽配信プラットフォームへ、コンテンツを一括供給するディストリビューションサービスも展開する「次代を奏でる著作権エージェント」だ。同社では現在、ディストリビューションサービスの一環として、アーティストのプロモーション支援も実施しており、Spotify(スポティファイ) デジタル音声広告を、積極的に活用している。
「Spotifyは、我々にとって単なる音楽配信プラットフォームではなく、イベントとの連動や広告展開など、アーティストの多角的なプロモーションを実現できるパートナーだ」と、同社の営業部 デジタルディストリビューショングループに所属する垣内 貴彦氏は語る。「Spotifyとアーティストとの距離は、想像以上に近い」。
アーティスト支援を行う理由
これまでアーティストのプロモーションは、CDショップでの展開やマス広告などを用いて、レコード会社の主導により行われるのが一般的だった。しかし垣内氏によると、「最近の多くのアーティストは、自分たちでSNSやプラットフォームの特性を分析し、独自のマーケティングとプロモーションを行い、作品を発信していこうと挑戦している」という。
「SNSやデジタル広告を活用することで、より効率的なプロモーションを行い、デジタル世代のアーティストの挑戦をA&R(アーティストアンドレパートリー)的な視点で積極的にサポートしていきたい」。
続けて垣内氏は「音楽著作権管理に加えて、ディストリビューションとプロモーションをワンストップで提供できるのが、我々ならではの強みだ」と語る。現在NexToneは、誰もが知る有名アーティストから、まだ名前が知られていないインディーズのアーティストまで、幅広い楽曲の著作権管理とディストリビューション&プロモーションを担当しているという。
Spotifyを中心とした戦略
Spotifyは2019年9月時点で、2億4800万人のグローバルユーザーを抱える、世界一の音楽ストリーミングサービス。収益モデルは、主に有料のプレミアムプランと、広告が配信されるフリープランのふたつだ。Spotify デジタル音声広告は、このフリープランのユーザー1.35億人に対して、楽曲と楽曲の合間に配信される。
「Spotifyは、無料会員を含めたプラットフォーム全体の規模感を考えると、音楽コンテンツの広告出稿先として非常に魅力的だ」と、垣内氏はSpotifyに目を付けた理由を語る。「加えて、Spotifyはアーティストとのコミュニケーションに非常に積極的。そうした点にも好感が持てた」。
Spotifyで楽曲が配信されている、新人アーティストを集めた「Early Noise(アーリーノイズ)」というライブイベントは、アーティストとの距離の近さを示す好例だ。2019年の同イベントでは、NexToneが現在、Spotify デジタル音声広告を活用して売り出しているアーティストも、過去に出演している。
また、前述したように、NexToneは多くのレーベル・アーティストを束ねる国内屈指のアグリゲーターとしてディストリビューションサービスを展開しているが、Spotifyはその配信先のひとつ。同社が実施するキャンペーンには、自社のディストリビューションサービスの認知をレーベルやアーティストから獲得する狙いもあった。
「NexToneであれば、ディストリビューションだけでなくプロモーションのサポートもできるということを、アーティストやレーベルに示す狙いもあった。これからもニーズに応じてさまざまなメニューを用意していく」とも垣内氏は語る。
大掛かりなキャンペーンも
NexToneでは2019年4月から、同社がプッシュするアーティストやプレイリストを、継続的にピックアップして広告展開を行っている。この施策では、Spotifyの「ホームページテイクオーバー」という広告メニューと、Spotify デジタル音声広告が利用された。
ホームページテイクオーバーは、フリープランのHomeページに大型のバナーを掲出し、ブランドメッセージを展開できる、純広フォーマット。このキャンペーンでは、バナーの遷移先に楽曲ページを設定した。また、Spotify デジタル音声広告では、楽曲の良さを伝えるために、シンプルなクリエイティブを用意。楽曲のインパクトで注意を引き、広告配信中にデバイスのモニターに表示される「コンパニオンバナー」から、ホームページテイクオーバー同様、楽曲ページへの遷移導線を作ったのだという。
また、6月には『Unknöwn Kun(アンノウン クン)』というアーティストのプロモーションを実施。「当時は、まだ知名度も低いはずだったのだが、ストリーム数に対する『Intent Rate(♡をつけたり、ライブラリに保存するといった今後もこのアーティストの楽曲を聴こうというアクションが見られた割合)』が突出して高く、いまでも再生回数を伸ばし続けている」。広告を通じて楽曲のパワーが伝えることに成功したという。
さらにNexToneは、より大掛かりな施策も行っている。「THREE 1989(スリー、TOP画像)」というアーティストのプロモーションでは、2019年12月17日に最終公演を終えた全国ツアーのタイトルともなっている「Every week is a Party(エブリー・ウィーク・イズ・ア・パーティ)」というキャンペーンを実施し、プロモーションをサポートしているという。
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実際に使用された、THREE 1989のコンパニオンバナーと音声広告
新進アーティストたちにチャンスを
こうして、アーティストのプロモーションにSpotify デジタル音声広告を有効活用しているNexTone。今後について垣内氏は「ゲームやアニメといったジャンルの海外へのプロモーションでも、Spotifyを活用したい」と語る。
「ゲームサウンドトラックの売上は、日本よりも海外のほうが圧倒的に高い。また、アニメソングなどでも北米を中心にヒットする事例が出はじめている。PlayStation(R)とグローバルでリレーションシップを組んでいるSpotifyは、ゲームやアニメとのジャンルの相性もいいはずだ。さらに世界には、2億4800万人を超える Spotifyユーザーがいる」と、垣内氏は期待を寄せる。
最後に垣内氏は、「Spotifyは我々にとって、アーティストのプロモーションに欠かせない存在になっている」と、広告のフォーマットが豊富である点や、イベントと連動したプロモーションが実施できる点を高く評価する。「今後もSpotify デジタル音声広告を通じ、積極的にアーティスト活動をサポートできるようなプロモーション施策を実施したい」。
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Image courtesy of NexTone
Written by Written by DIGIDAY Brand STUDIO(滝口雅志)
Photo by 合田和弘
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スティーブ・ジョブズが初代iPod(アイポッド)を、2001年に発表して以来、音楽業界のデジタル化はドラスティックに進んだ。その後、同業界のプレイヤーの役割も大幅に変化している。それは、コンテンツのライツマネージメントを請け負う著作権管理事業者も例外ではない。